いまになって「再臨界」を発表する、人民の敵・東京電力 東京電力・福島第1原発事故(第158信)


すでに「取り返しのつかぬ今」を
もはや「取り返しのつかぬまま」見据えながら、
それでもなお、あの愚者たちに殺されないために――


いまになって「再臨界」を発表する、人民の敵・東京電力





 以下は、本日午前中から、私の個人的な情報網には流しておいた情報である。
 だが、さきほどから「テレビの臨時ニュースを観た」といった問い合わせの電話もかかってくるようになったので、当ブログでも簡略に触れておく。


福島第1原発で核分裂の可能性 キセノン検出、ホウ酸注入
 東京電力は2日、福島第1原発2号機で原子炉格納容器内の気体から放射性キセノンが検出された可能性が判明、核分裂が起きている恐れが否定できないとして、原子炉に核分裂を抑制するホウ酸水を注入したと発表した。原子炉の温度や圧力、放射線量を測定するモニタリングポストの値には変動がないという。経済産業省原子力安全・保安院は、原子炉の状態は安定しており、核分裂が拡大し燃料が再溶融する恐れは低いとみている。》

  (共同通信 電子版/2011年11月2日 05時59分=2011年11月2日 11時15分 更新)
  http://www.excite.co.jp/News/science/20111102/Kyodo_BR_MN2011110201000034.html



 要は、福島第1原発で「再臨界」が起こっているという話である。
 そんなことは当初から、心ある研究者たちによって懸念も指摘もされつづけていたことだ。
 キセノンをはじめ、核分裂が進行しているのでなければ析出され得ないはずの物質が観測されつづけている——と。

 にもかかわらず、それをなんの根拠もなしに否定、ないしとは無視・黙殺しつづけてきたのが、日本政府であり、核加害企業・東京電力であるということである。

 (ついに炉心溶融を、さしもの自分たちも認めざるを得なくなった5月12日の記者会見で、「英語で言えばメルトダウン」とうそぶいた、東京電力副社長にして“技術部門最高責任者”武藤栄を、私は思い出す。あの、魂の膿んだ男の薄笑いを——)

 なぜ、これだけ警告が発されつづけてきたにもかかわらず、いまのいままで、適切なホウ酸水注入をしてこなかったのか? 
 もしも、ほんとうに《原子炉の温度や圧力、放射線量を測定するモニタリングポストの値には変動がないという》というなら——そもそもモニタリングポストがモニタリングポストの体を成していないのだろう。

 そして、このかん——福島の子どもたちの被曝量が尋常ならざるものであることが明らかになり出しているいまも、避難させもしない政府は、「亡国」企業・東京電力の「救済」措置にだけは汲汲とし、相も変わらずヴェトナムへの原発輸出に躍起となり、「やらせメイル」問題も糾(ただ)されないまま、九州電力・限界原発4号機は国民輿論(よろん)を無視して一方的に再稼働され、近日、訪米する総理大臣は、有権者国民の意向など無視して「TPP参加」を国際公約し……それらの既成事実の上に、さらに「亡国」亡民の悪行は加速されていこうとしているということである。
 
 東京電力・福島第1原発事故に、「TPP」強行参加——。
 それによって、この国は、事実上、終焉するだろう。

 いよいよ取り返しのつかない、決定的な閉塞感・喪失感・終末感が、芬芬(ふんぷん)と立ちこめる。






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by uzumi-chan | 2011-11-02 12:53 | 東京電力・福島第1原発事故

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